中国の反日さわぎ

 ちょっと前から中国の反日運動が懸念されている。麻野の知人にも、「このまま行くと、戦争ですよ」とまで言う人がいた。しかし、麻野はあまり気にしていない。長い目で見たとき、今回の騒ぎは単なる部分的な濁流に過ぎないと思ってる。歴史の本流を変えるような大きなうねりではないと思うのだ。

 反日騒ぎをテレビで見たとき、日本の60年安保や70年安保の映像を思いだした。あの頃の日本は政治的に大騒ぎをしていた。大学紛争があり、、港で「ヤンキーゴーホーム」の大合唱があり、デモで樺美智子さんが亡くなり、日本全体が反米にわきかえってた……ように見えた。

 しかし、確かに反米騒ぎはあったが、その後の大勢には、あまり影響はなかった。騒いだ人たちには申し訳ないが、本当になかったと思う。なんというか、コップの中の嵐っていうの? 左翼にしろ右翼にしろ、そういうマニアックなインテリには影響はあったかもしれないが、一般民衆のレベルでは関係なかった。政治的には反米とかいいながら、アメリカの生活にあこがれ、コーラを飲み、プレスリーすきで、ジーンズはきたがってた。日本とアメリカが決裂して、再度戦争にまで……なんて、毛ほどもならなかった。

 今回の中国も、そうなんじゃないか。後で知ったんだけど、あの反日騒ぎの日、その直後に、北京では比較にならない規模の暴動がおきたと聞いた。数万だか数十万人だかの人数だ。そっちは、貧しい人たちが、中国当局に不満をぶつける暴動だったようで、大勢の人が死んだらしい。なぜだか、日本ではあまり大きくあつかってないみたいだけど。

 今回の反日は、おそらく中国のインテリが騒いでるのだろう。あるいは、インテリでなくても、ある程度経済的に余裕のあるものが、腹が満ちたら、プライドも満たしたいので、歴史を振り返り、旧日本軍の行いと今の日本の政治家に腹たててるんだと思う。でも、そういうのって底が浅いような気がする。

 このブログにも書いたけど、この前、上海に行ってきた。(今から考えるとタイミングよかった。もう少しおそかったら、危なくていけなかった)。で、そのときの感想をいうと、上海の街に日本がどんどん浸透してるように思えた。日本がというより、大衆社会かな。

 九州のラーメン屋のチェーン店があちこちにあった。多分、そこでメシ食うのって、日本でいうと30年くらい前の、ロイヤルホストだと思う。ちょっとカッコいいのだ。おしゃれなのだ。ウェディングドレスの店があった。式場の予約とかも受け付ける店だ。東京の青山通りよりもおしゃれな通りがあって、そこに面した店だった。ピッカピカの店で、大勢の若いカップルが幸せそうにしていた。これも日本の会社だ。

 高速道路も新しいし、大きなマンションがどんどん建っていた。どこへいっても工事中だ。日本と変わらないブランドの店が、バンバンある。ちなみに地下鉄はICカード形式の切符だった。まさかそこまで進んでるとはしらなかったので、切符の差込口をさがして、恥かいた。駅員に「touch and go!」といわれたのだ。とんだ田舎ものじゃないか!

 本屋にいったら、「鬼畜日本兵!」みたいな本もおいてあった。でも、紙質といい、装丁といい、どうしようもなくC級の本だとわかる。多分、まともな人は読んでない感じ。むしろ、多いのは株の本。デイトレードとかテクニカルの本からファンダメンタルまで、ものすごい量がおいてある。日本でも最近、株がはやりかけてるけど、本屋の本の100分の1もないと思う。でも、中国では、間違いなく本屋においてある10分の1が株の本だった。いや、見た感じだけだと、3分の1くらい株の本のイメージ。

 もう中国は、経済大国になるのは間違いないと思う。そしたら、そのときに考えるのは、金もうけだ。反日が金もうけにつながるなら、中国もそれをあおりたてるかもしれないが、日本とアメリカとの関係を見てても思うけど、多分、逆になるんじゃないかなあ。

 たしかに一部の中国人は、ずっと反日をいい続けるとはおもう。日本でも西部邁みたいな人がいるから。でも、ほとんどの人はどうでもよくなるんじゃないかなあ。気分としての反日は残るので、何かことがあると噴出はするかもしれないけど。

 為政者としては、とりあえず反日の芽は残しておいて、何か当局への不満がでそうになると、反日感情あおりたてて、民衆の不満をそらせるために使う、安全弁として使っていくんじゃないかなあ。

 つまり、逆にいうとその程度のものだから、あんまり気にしてもなあ、という気がする。あ、それと、旧日本軍がなにしたこれしたという話は、まったく別の話。それはそれ、これはこれ。
[PR]
by asano_kazuya | 2005-06-24 14:50 | 身辺雑記