メイドエステ

この話、前に書いたかなあ。最近、なにも覚えてないので、もしかしたら既出かもしれんが、そのときはご容赦ください。過去の文章確認するの面倒くさい。ミクシーに書いたのかな。それも憶えてない。

えー、メイド喫茶は行ったことないんですが、メイドエステとやらに行ってきました。もうだいぶ前、年末だったか正月だったかも覚えてない。

去年の夏か秋に、道を歩いてたらメイドがいて、チラシをくれた。それがメイドエステ。そのときは忙しかったので行かなかったが、そのチラシがたまたまポケットから出てきて、かつ、ヒマだったので、行ってみたわけ。

雑居ビル。エレベータで上がっていって店にはいる。メイドと普通の格好の若い女が、あわせて4人くらい、だべってた。オレがはいるやいなや、「きゃあきゃあ」という感じで騒ぎ出す。なんつーか、学校の放課後、たまたま女子だけが教室にいて、そこにはいっていったら、どういうタイミングだったか騒がれたという感じ。全然、接客って感じじゃない。

「コースの案内」ということで、いったん席につく。一人の女が、コース説明をする。だが、どうもおかしい。オレのもらったチラシと内容がずいぶんちがう。チラシによると、おためしで、30分1500円とか2000円とか安いのだ。しかし、目の前のコースは安くても4000円だ。

「あの、このチラシもらったんで来たんですけど」
麻野がそういうと、
「あ、その店はつぶれました」

( ゚Д゚) ハア?

うさんくさいだろうと予想はしてたが、いきなりか!


どうも経営者が変わったような、そうでないような。説明が要領を得ないんで、よくわからない。つーか、バイトなのかなんなのか、みんなでゴニョゴニョ相談が始まって、それでもわからない。あと、わからないといえば、これもわからない。

「前は、メイドエステでしたが、今は普通の男性用エステになったんです」

じゃあ、なんであんたメイドの格好してるんだ? メイドエステの定義ってなに?
……まあたしかに、さっきから、ご主人様とは一言もいってないけど。

気を取り直してコース内容を見ると、メニューの下のほうに大きく特記事項があった。

「当店は風俗店ではありません!」

なるほど。
そう勘違いする人もいるんだろうなあ。ある意味危険な仕事かもしれない。麻野はそう思いつつ質問した。

「ところで、各コースにそれぞれ、ノーマルとセレブという2種類あるんですが、どうちがうんですか?」
「セレブだと、より体を密着したサービスになります」

風俗かよ! おもいっきり風俗っぽいよ!

なんだか、うさんくさいの通り越してワケわからん。どうもイヤな予感がするので、帰ろうかとも思ったが、まあ、ここまで来たんだから話のネタにと受けることにした。ただし、一番安いのでいい。顔面と首筋だけなら30分4000円。これだったら、まあ、ちょっと高めのマッサージ並みだから、これにしよう。足ツボマッサージつきというのにも心惹かれるけど、チト高いから、止めておこう。(麻野にしてはめずらしい。いつもだったら、ついつい選んでしまうのだが、今回はこれで正解だった)

「かしこまりました。セレブですか?」
「ノーマルで」
「前金でお願いします」
「領収書いただけますか?」
「出せないことになってるんです」

店員、すみませんと謝るが、聞いたことないよそんな店!
どう考えてもあやしいよ。税金はらってないだろ!


ではこちらへ、とカーテンで囲まれた一角へ。ここで使い捨てのショーツにはきかえて、ショーツ一丁になれという。薄ら寒いし、恥ずかしい。だって、女もののショーツだぜ。変態やん!

ひらきなおってベッドに寝て待ってると、エステシシャンがやってきた。たしかに、この人はメイドの格好してない。じゃあ、なんであの受付はメイドなんだろう?

施術がはじまった。寒いのを気遣ってくれて、バスタオルを体にかけてれる。熱いおしぼりで顔を拭いてくれた。目のところにタオルがかけられる。何も見えない。で、エステがはじまった。エステシシャンの指が、ほおにふれる。そのまま、つーと、あごへと伝う。ほんとに、ふれるかふれないかって感じ。でまた、あごから耳元へと、つーと、伝う。

はっきりいって、頼りない。もっと、マッサージっぽくツボを刺激とかを想像してたが、単に指でなでてるだけ。それも触れるか触れないかくらいの状態で。

でもまあ、そのうち、始まるだろうと思ってたら、なんと30分間それだけ。最後に熱いおしぼりで顔を拭かれておしまい。

詐欺だ。

まちがいなく詐欺だ。

じつは、麻野は、男のわりにはエステが何か知っている。海外旅行にいったときに受けたことがあるし、国内でも一度だけだけど、比較的高級なエステにいったことがある。マッサージよりはゆるいけど、ちゃんとリンパをほぐすとか、オイルをつかうとかで、指の圧がある。たいていは気持ちよくて眠くなる。そんな体験がある。だから、ここが詐欺だとわかるのだ。きっと、このエステシシャン、免許もってないにちがいない。

領収書なくても、メイドの格好してなくても、接客無茶苦茶でも、施術だけはまともならいいがと思ったが、徹頭徹尾ひどい。刺激的なのはおしぼりだけだった。

でも、驚いたことに、リピーターいるみたい。麻野が「指先つー」攻撃を受けてる間に、隣のブース(っていうのかな?)に、次の客が来た。その客の話ぶりだと、どうも前に来たことがあるようなのだ。おそらくエステというものがどんなものかわかってないから、来るんだろうなあ。

困ったのが、髪型だった。ほとんど意味ないのに、タオルでガッチガチに巻かれていたから、とんでもないクセがついている。おしぼり三本くらいもらって直したが、直りきらない。そういえば、この頭もそうだが、ショーツ姿にもなんの意味もなかったなあ。

薄ら寒くて、変態的な格好で顔の表面をなでられ、変な頭になって4000円。釈然としない思いで店を出た。エレベーターが来るまでメイドがつきあってくれるのは、キャバクラと同じサービスか。しかし、エレベーターが来たと思ったら、なんかの誤作動で行ってしまった。雑居ビルのせまいエレベーターホールで、ものすごく間の悪い2分間。

「また来てくださいね」
「そうですねえ」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「今度くるときは、帽子かぶってきますよ」
「そのほうがいいかもしれませんね」

やっとエレベーターが来た。逃げるように乗り込む。ほんとなら、この後、本屋にでも行こうと思ってたんだが、この頭ではカッコ悪すぎる。帽子買うのも、それはそれで体裁悪いし、まっすぐ家に帰った。あー、おもしろかった。
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by asano_kazuya | 2006-03-03 13:50 | 身辺雑記