ダ・ヴィンチ・コード

a0016446_1945921.jpg文芸春秋6月号で、おもしろい記事があった。

竹下節子さんという方が書いた『「ダ・ヴィンチ・コード」四つの嘘』という記事。

誰もが知ってると思うが、この「ダ・ヴィンチ・コード」という本は世界的に売れていて、映画にもなった。麻野たちも、去年、ベストセラー本ゲーム化会議で、仮想ゲーム化させてもらった。

この本は、「レオナルド・ダ・ヴィンチの謎を解いていくと、バチカンが隠し続けてきたキリスト教の秘密がわかる」といった、歴史ミステリーだ。もちろん、あくまでもエンターテイメントで、史実とかそういうのは、いい加減。暗号の専門家が、アナグラムになかなか気がつかないとか、ツッコミどころも満載。

批判的に本を読む習慣のある人が読めば、あくまでも「お話」とわかるのだが、信じやすいタイプの人間だと、本気にしてしまうかもしれない。この記事は、「レオナルド専門家として、一応クギさしておきますよ」といった内容。詳細は本文を読んでもらうとして、抜粋する。

まず、ダ・ヴィンチ・コードはこういってる。

1.キリスト教は女性原理(ギリシャ・ローマにみられる女神など)を隠してきた。
2.イエスはマグダラのマリアと結婚していて、その子孫がヨーロッパの王家の血筋になった。
3.上の二つの秘密を守るために修道院が作られて、そのリーダーのレオナルド・ダ・ヴィンチは、自分の絵やタイトルにそれとなく隠した。
4:これらのことがばれるとやばいので、バチカンは必死で隠している。


で、竹下さんは、こういってる。

1.キリスト教は女性原理を隠してない。マリア信仰がそのいい例。
2.イエスとマリアの結婚に証拠はない。その子孫がヨーロッパの王家の血筋というのも根拠ない。
3.もとから隠す気などないので、バチカンはなにも困らない。そもそも、イエスは人間と神の両方の属性を持っているというのがバチカンの教義。人間の方のイエスがなにをしようとも、神の部分には関係ない。
4.つーか、キリスト教にまつわるオカルト系の話は山ほどある。源義経がジンギスカンになったというのと同程度の話。それを本気にした(のか確信犯なのかわからんが)のが、作者のダン・ブラウン。


キリスト教関係のトンデモ本の源流は、ルネサンス知識人をはじめとするヨーロッパの人々の「お遊び」だったようだ。どうも、アメリカ人のダン・ブラウンは、その辺のヨーロッパ人の「ネタ」がわからず、マジで(なのかワザとなのか)釣られたという構図。


ブログのネタにさせてもらったので、感謝の意味をこめて、竹下さんの本の紹介をしておく。
『レオナルド・ダ・ヴィンチ――伝説の虚像』(中央公論社)。ちなみに、麻野は読んでません。
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by asano_kazuya | 2006-05-14 18:47 |