適書適所

 昼飯を食いに外に出たら、なんとなく今日は仕事をするのがいやになり、先週のマシン組み立ての勢いが体に残ってたのか、そのままブラリと意味もなく秋葉へ行った。

 ほんとうに意味なくブラブラして、とある本屋にはいったら、ゲーム批評が置いてあり、米光さんが対談しているのが表紙に出ていた。

 「ああ、米光さん、仕事してるなあ」と思いながら、ひょいと横を見ると、飯田さんが編集したメタルギア・ソリッドの本が目に入った。

 「ああ、飯田さん、こんなこともしてるんだ」と感心しつつ、なんだかあせってきた。自虐モードのスイッチが入り、「友がみな、我よりえらく思えるよ。じっと手を見る」と石川啄木のうろおぼえの俳句だか短歌だかを思い出し、「いいんだ。俺は俺だ」と、いいわけがましく、いっそ堕ちるところまで堕ちてやれとばかりに、秋葉のエロイところをあえて廻った。

 今日は、ちょうど台風。さっさと帰ればよかったのに、行かなくていいところに行くから、雨が降ってきた。あわてて300円の傘を買ったら、すでに錆びていた。

 雨と風がひどすぎて、傘、まったく役に立たず。ずぶぬれで中央通りを進むと、同じ傘が200円で売っているのを見つける。

 濡れ鼠で銀座線に乗り、カバンから「ブランド」(岡康道×吉田望 宣伝会議)を取り出して読む。広告業界のえらくてかっこいい人が、半分自画自賛しながら対談している本だ。

 仕事もせず、秋葉をぶらついてドロドロになった俺が、なんでこんな身分不相応な本を読んでるんだろう。ああ、そうだ。この前、青山にいったとき、なんとなくそんな気分になって買ったんだった。

 今度から、秋葉にくるときは秋葉にあった本を持ってこよう。場所にあわせて読む本の選択をしないと、気分がそがれる。そう思う私をのせて銀座線は進むのでした。
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by asano_kazuya | 2004-06-21 20:34 |