夕方の商店街で

米光さんが作ったコックリさんTシャツを着て、保育園へいった。コックリさんの盤が胸にプリントされていて、肩口に狐のデザインが入ってるシャツだ。

保母さん「変わったTシャツですね」
ワシ  「コックリさんのTシャツです。友達が作ってネットで売ってるんです」
保母さん「まあ、ネットで」

……という脳内会話をしながら行ったのだが、現実にはそんな会話はまったくなく、いつもどおりに淡々と息子を連れて帰ってきた。きたのだが、意外なところでこのシャツが注目を浴びた。

今までいったことのない惣菜屋で弁当を買ったら、そこの店のおばあちゃんが、ニコニコしながら、「そのシャツ、サザエさんですね」。

……不意をつかれた。どこをどう見たら、この文字だらけの図案がサザエさんに見えるんだ? ああ、そうか、なんとなくフォントがサザエさんのロゴに似てなくもないなあ、と思いつつ、「いや、これ、コックリさんなんですよ」というと、「え、コックリさん?」と、いきなりガッカリした顔になり、不審気にジロジロとシャツを見る。

「へえ、そんな、コックリさんなんて、へえ、売ってるのねえ」というから、「友達が作って売ってるんです」というと、ますます怪しいものを見るような顔になって、「友達が……コックリさんばっかり作ってるの?」

「いや、ばっかり、ってことはないけど……。色々作ってて、これはたまたまコックリさん」
「ふーん」

ネットで売ってるとか、密室殺人Tシャツとかの単語も浮かんだが、話が長くなる割に実りがなさそうに思えて、ぐっとこらえてると、おばあちゃん、また顔を輝かせて、「あら、それ」と肩口のキツネを指差して、「それ、サザエさんでしょ」。

おばあちゃん。あんた、何が何でもこのシャツを、サザエさんにしないと気がすまないんだね。でもごめんね、ちがうんだよ。これ、キツネ。

「キツネです」といったら、「あら、そう……」と、また、落胆が顔に出る。でも、天ぷらオマケしてくれたから、いいおばあちゃんだ。
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by asano_kazuya | 2004-06-24 19:17 | BGK