カテゴリ:本( 53 )

a0016446_1933366.jpg書店で、ひさしぶりに竹村健一の本を目にした。竹村健一といえば、ある程度の年齢の人は誰もが知っていると思うが、頭髪を九一分けにして、パイプをくわえながら「だいたいやねえ」というのが口ぐせの、関西弁の評論家だ。

しばらくその存在を忘れていたが、なつかしくなって思わず手に取った。明日の日本の産業を占う本だ。目次に、「これから中心となるのは『あの世産業』」とある。



あの世産業?

少子高齢化が進んで、葬式産業が流行るということだろうか? いや、それだと冠婚葬祭産業だから「あの世産業」ではない。死後の世界を問題にする宗教っぽい産業とか、コールドスリープとか、そういうことだろうか。うーん、よくわからない。

竹村健一も、もうずいぶんなトシだと思うが、まだまだ社会を見る目が鋭いのだろうか。麻野には想像もつかない着眼点かもしれない。そう思い、中身を読んでみた。それによると……。(以下、適当な抜粋)


20世紀の産業はテレビを作ったり車を作ったり、わかりやすい産業だった。しかし、21世紀になって、ライブドアとか、何をやってるのかよくわからない会社がでてきた。仕事の進め方も、20世紀型の産業は人海戦術で泥臭い白兵戦だったが、21世紀型産業はジェット機で空中戦だ。金のもうけ方も全然ちがう。成層圏をつきぬけるように儲けるのだ。雲の上だ。地上からは見えない。20世紀の産業が「この世産業」だとすると、21世紀は「あの世産業」なのである。




なんじゃそりゃ?
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by asano_kazuya | 2005-12-15 19:30 |
a0016446_1232099.jpg今月の頭に、こういう本出しました。

日本文学ふいんき語り

『漱石の「こころ」や太宰の「人間失格」をゲームにしたら、どーなる?』がコンセプトの三人談話談集です。

麻野とセンスを共有できる人なら、まず笑えると思うので、よろしくです!
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by asano_kazuya | 2005-12-04 12:06 |
この一週間ほどで、スターウォーズのエピソード4,5,6を立て続けに観た。エピソード4は高校生の時にリアルタイムに観たのだが、それ以来あまり関心がなく、たまたまテレビでエピソード1を観た以外は、まったく観ていなかった。しかしまあ、これだけとてつもない支持をうけている映画なので、ちゃんと観ておこうと思い、観始めたのだ。

感心したのは、毎回ちゃんと「見たことのないものを見せてくれる」ということだった。たとえば、4の冒頭の長く続く宇宙船のシーン、ライトセーバー、ダースベーダーの造形や呼吸音の組み合わせ。5のデススターとその仕組み。6では、作りかけの月(デススター)が空に浮いているし、樹木生活者の村の構造もおもしろい。もちろん、クリーチャーの造形も動きもすばらしい。

思い起こせば、ウルトラマンや仮面ライダーも、今まで見たことのないモンスターが見たくて、毎週みてたような気がする。初めての造形、初めての演出というのは、やはり、エンターテイメントの大きな要素だ。そして、それを誰かがすぐまねる。たとえば、インディ・ジョーンズの、洞窟を巨大な石球が転がってくるシーンなど、たくさんの映画、アニメ、ゲームで真似されてる。

昔、蜷川幸雄の芝居で、バカみたいにでかい月をだしたことがあった。今までそんなでっかい月はみたことないのですごいと思っていると、あっというまにあちこちの映画やマンガで、それを流用しだした。

主人公が力を込めたときに地面に転がっている小石や岩が宙に浮く演出は、ドラゴンボールでよく見たが、元々は宮崎駿が先駆者らしい。エヴァークエストというゲームで、樹木生活者の村の造形があり、初めて見たときに、おもしろいと思ったが、今回エピソード6を見て、これから影響を受けたことがわかった。(おそらく、ほとんどの人はそんなことはわかった上でゲームをしていたのだろうが)。

「見たことがないもの」は、それがすごければすごいほど、後の人は真似をするし、いつしかそれがスタンダードになっていく。そして、また進化をする。そう考えると、ミステリーにおけるコナン・ドイルなど、とてつもない影響力だ。

どの分野でも、そういう、次世代のスタンダードになるパワーを秘めた、「初めて見るものもの」が、後世に残るエンターテイメントになっていくし、また、売れるんだろうと改めて思った。
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by asano_kazuya | 2005-10-03 14:48 |
お恥ずかしい話ですが、出版した本「八百比丘尼の斎」にミスがあることが判明しました。すでに購入された方は、以下の修正をされたうえで、お読みください。

・P32 「73へ」とあるのを「252へ」にする。
・P42 「73へ」とあるのを「252へ」にする。
・P61 「73」を「252」にする。
・P195 「252」を「73」をにする。
・P272 350の文章「※カギがあるなら、そのカギの番号の一のケタと十のケタを逆さまにして5を足した番号へ飛べ。」とあるのを、「※カギがあるなら、その番号へ飛べ。」にする。

お手数かけまして、もうしわけありません。
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by asano_kazuya | 2005-09-22 12:03 |
a0016446_162080.jpgえーと、宣伝です。ゲームブックを書きました。「八百比丘尼の斎(やおびくにのとき)」というタイトルで、昨日、発売になりました。出版社はチュンソフト出版です。

むかし、弟切草というゲームを作ったんですが、それの続編になります。弟切草は夏の話ですが、これは、冬の話です。弟切草の事件(カップルが山奥の洋館に迷い込む)の半年後、今度はあなたが同じ洋館に迷い込んでしまう……という設定です。とはいえ、弟切草を知らない人でも楽しめるように書きました。

八百比丘尼というのは、福井の方の伝承で、人魚の肉を食ったため、不老不死になったといわれている女性のことです。今回の物語は、それが下敷きになっています。

ゲームブックといっても、サイコロころがしたり、戦闘したりはありません。どちらかというと、分岐小説といったほうが、ふさわしいものです。気軽に読めると思います。

おそらく、書店でもゲーム関連本のあたりに置かれると思うので、なかなか目にすることはないかと思いますが、もし、見かけることがあったら、パラパラと立ち読みでもしてやってください。 で、気に入っていただいて、買ってもらえると尚うれしいです。

↓ちなみに、チュンソフトのサイトで、冒頭の話が試し読みできます。

http://www.chunsoft.co.jp/publish/index.html
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by asano_kazuya | 2005-09-17 00:59 |
世間のウソ              
 日垣隆         ★★★☆
ヒストリエ1・2            
 岩明均         ★★★★
本が好き悪口言うのはもっと好き
 高島俊男     ★★★☆
なぞ食探偵             
 泉麻人         ★★★★
税金バンザイ!     
 小堺桂悦郎       ★★
おもしろく源氏を読む     
 角田文衛・中村真一郎 ★★★
ダーウィンを超えて     
 今西錦司、吉本隆明 ★★★
未来ビジネスを読む     
 浜田和幸     ★★
トンデモ本の世界S     
 と学会        ★★★☆
中国五千年(上・下)     
 陳舜臣        ★★☆
直観でわかる数学     
 畑村洋太郎    ★★★☆
小博打のススメ         
 先崎学        ★★★
御緩漫玉日記1         
 桜玉吉        ★★★★
鉄理論=地球と生命の奇跡
 矢田浩        ★★★☆
ほめるな         
 伊藤進        ★★★
失踪日記         
 吾妻ひでお     ★★★☆
夜のピクニック         
 恩田陸       ★★★
ミカドの肖像         
 猪瀬直樹     ★★★☆
売文生活         
 日垣隆       ★★★☆
さおだけ屋はなぜ潰れないのか?
 山田真哉     ★★★☆
複雑な世界、単純な法則     
 マーク・ブキャナン ★★★☆
新・世界の七不思議     
 鯨統一郎     ★★★
脱税のススメ         
 大村大次郎    ★★★☆
診断名サイコパス     
 ロバート・D・ヘア  ★★★★
山本七平の旧約聖書物語 上
 山本七平     ★★★☆
人喰いの時代         
 山田正紀     ★★★☆
靖国問題         
 高橋哲哉     ★★★
山本七平の旧約聖書物語 下
 山本七平     ★★★☆
ゲド戦記1 影との戦い     
 ル=グウィン    ★★★
人はなぜ学歴にこだわるのか。
 小田嶋隆     ★★★
100億稼ぐ仕事術     
 堀江貴文     ★★★
稼ぐが勝ち         
 堀江貴文     ★★★
儲け入門         
 堀江貴文     ★★★
ホリエモンの新資本主義!
 堀江貴文     ★★★
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by asano_kazuya | 2005-05-14 15:52 |
最近、ギリシャ神話を読み出した。そうすると、今まで断片的に知っていたことが、あちこちつながって、「へえー!」、「へえー!」と一人「トリビアの泉」状態に陥っている。興味ない人には、「ふーん」かもしれないが、麻野がおもしろいと思ったことをいくつか書いてみる。まずは、「パンドラの箱」。

パンドラの箱は、「開けたが最後、数々の災いが飛び出してきて、最後に希望だけが残った」というエピソードが有名だ。

麻野は、このパンドラというのは、箱の名前だと思っていた。「戦艦武蔵」といえば、武蔵という名前の戦艦だし、「養老の瀧」といえば、それ自体が滝の名前だ。そんな風に思っていた。しかし、違った。これは箱をあけた女の名前だったのだ。パンドラという女が箱をあけたのだ。

じゃあ、そもそも、その箱は誰のものというと、これはエピメテウスという巨人のものだった。エピメテウスといわれても、「ふーん。で、それ誰?」となるが、このエピメテウスはプロメテウスの弟だ。「ふーん。で、それ誰?」と、神話を読み始めると、この「ふーん、で、それ誰?」のキリがないが、このプロメテウスという人こそ、最初の人間を作った巨人なのだ。

ここで、「ええ!」と思う。確か最初の人間って、アダムだろう。アダムを作ったのって、神様だとは聞いてたけど、そんな名前だっけ? つーか、巨人って、神様?

しかし、それは違うのだ。そのアダムを作ったというのは聖書の話。聖書はユダヤ人が伝えたものだが、今している話はギリシャ人の神話なので、若干変わってくる。

最初から話をする。

まず、プロメテウスは、土をこねて神の姿に似させて、人間を作った。次に、「人間に、生きていくための能力を与えておけ」と弟のエピメテウスに命じて、自分は監督にまわった。この弟は、人間以外にも、他の動物に、「ひづめ」とか「牙」とか「翼」とか、生きていくための色んな能力を与えたのだが、もう人間には何も残っていなかった。それで、「兄貴、まいった。もうねえよ」とぐちったら、「じゃ、火でも使わすか」ということで、人間は火を使う能力を得たのだ。

ところが、これを見て、神様の親分ゼウスが怒った。「火を使わせるとは、与えすぎだ」と。で、罰を与えようと女を作って、プロメテウス兄弟に与えたのだ。

なんと、女は、罰だったのだ!

その最初の女の名前がパンドラ。聖書だとイブという名前だけど、ギリシャ神話だと、パンドラなのです。

で、罰として送り込まれた自分の立場を知ってか知らずか、あけちゃいかんといわれてる箱をエピメテウスの留守にあけてしまう。そして、最初に飛び出してきた災厄が、「痛風」なそうな。次「リューマチ」とか。イヤな話だよ、まったく。

ところで、「最後に希望が残った」という話を麻野は子供の時に初めて読んで、複雑な気持ちになった。「残ったということは、出てこなかったということじゃないの? 希望が出てこなかったということは、絶望じゃないか」と思ったわけです。そう思った人って、他にはいないんですかね。

ちなみに、プロメテウスが作った最初の人間の名前、聖書だとアダムだが、ギリシャ神話だと名前がない。これって男女差別だよね。
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by asano_kazuya | 2005-02-22 16:29 |
OUT                            桐野夏生
嫉妬の世界史                      山内昌之
I'm sorry,mama                     桐野夏生
Q&A                           恩田陸
すべての道はローマに通ず ローマ人の物語Ⅹ 塩野七生
大人のための文章教室                清水義範
人間の本性を考える(上・中・下)           スティーブン・ピンカー
著作権の取り方・生かし方               豊沢豊雄
会社にお金が残らない本当の理由          岡本吏郎
痴人の愛                         谷崎潤一郎
頭がいい人、悪い人の話し方             樋口裕一
孤独のグルメ                       久住昌之、谷口ジロー
音楽・ゲーム・アニメ コンテンツ消滅        小林雅一
Rubyを256倍使うための本 極道編        助田雅紀
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by asano_kazuya | 2005-01-27 11:01 |

今号のダカーポ(552号)に、「電車男」の書評が載っていた。読んでで違和感を持った。といっても、たいした話でもないので、いつもならそのままにしておくのだが、今回、「ベストセラー本ゲーム化会議」でもとりあげたことだし、なんとなくタイムリーな気もするので、ちょっとブログに書いておく。

まず、重箱の隅をつつく。


電車内で暴れる爺さんの酔っ払いから救ってやった若い女性を、デートに誘いたい


とあるが、救ったのはおばさんであって、若い女性ではなかったはず。


中野独人という架空の人物が編集した


とあるが、「中野独人」というのは現実にいる人間だ。ペンネームを使っているだけだろう。この書き方はおかしいと思う。これだと、「坊ちゃん」も、夏目漱石という架空の人物が書いたことになってしまう。

次に、なんとなくずるいなと思ったところ。


「世界の中心」でまともに「愛」を叫んでいる人、あるいは、そういうリアルなストーリーに熱くなる人たちには、なんでこんな落書のスクラップのようなものが、ベストセラーになるのか理解できないかもしれない。


とかいてるので、「ああ、この評者は、理解できてるのだな」と思った。ところが、次の文章でこう書いている。


~悪名をはせている、狂暴な2ちゃんねらーたちが、“仲間”をリアルな恋愛の世界へと送り出すべく一丸となって協力したことが、“感動的”なのだろう。


「なのだ」ではなく、「なのだろう」ということは、評者は感動してないのだ。それは、感動に“ ”がついていることからもわかる。

つまり、「どうしてこの本がベストセラーになるのか理解できないかもしれない」と、他人事のようにいっているが、この著者自身、別に感動してないのだ。自分のことを他人事のようにいっている。

結局、この評者はどう思ってるのかいまいちわかりづらいのだが、最後の文章でやっとわかる。


リアル・ラブ・ストーリーというより、それを演じようとするスレ共同体のスレたストーリーとして読むと面白い。


麻野のまわりに、「電車男」をおもしろいといっている人間はわりといる。その中には、おたくの2ちゃんねらーもいれば、2ちゃんを読まない、オタクでもない、普通の中年もいる。しかし、だれもこんなひねくれた読み方はしていない。もっと単純に、「見ず知らずの人間の恋愛を、手助けするいい話」だと思って読んでいる。たとえ電車男がネタだったとしてもだ。

面白いと思うか、思わないかは人それぞれなのでかまわないが、面白くないと思ったのなら、そういうスタンスをまず表明すればいいのに、なんとなくずるい人だなと思った。

この人は、2ちゃんねるがキライなんだろう。それは別に人それぞれでかまわないが、自分よりずいぶん年上の人だろうと思ってたら、「仲正昌樹、1963年生まれ」とある。オレと一緒じゃないか。驚いた。金沢大学の法学部教授だ。何冊か本を出してるみたいなので、読んでみたくなった。
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by asano_kazuya | 2004-12-16 15:37 |
三四郎            夏目漱石
百器徒然袋 風      京極夏彦
百年の誤読         岡野宏文・豊崎由美
それから           夏目漱石
門               夏目漱石
ニッポンを読み解く!   猪瀬直樹
裏帳簿のススメ       岡本吏郎
文系のための数学教室  小島寛之
日本株の逆襲        野村由起夫
世界地図から歴史を読む方法   武光誠
こころ             夏目漱石
しりあがり寿のお蔵出し  しりあがり寿
「超」日本史         藤井青銅
電車男            中野独人
言葉の常備薬        呉智英
品のいい人と言われる技術   夢プロジェクト[編]
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by asano_kazuya | 2004-12-10 12:17 |