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a0016446_11525448.jpg1968年の映画で、おそらくリアルタイムで観てると思うが、さだかでない。
この映画の前に封切りされた、「妖怪百物語」は、オヤジに連れられて観に行って、怖くて泣き出した記憶がある。5歳くらいの頃。今はなき、出屋敷の映画館やった。

「妖怪大戦争」、話自体はたわいない。外国(バビロニア)から来た妖怪ダイモンが非道なことをするので、日本の妖怪が戦って追い払うという話だ。設定は江戸時代。

コメディあり、アクションあり、特殊撮影ありの楽しい仕上がりだが、やはり古いので、ちゃちい感じはする。血糊なんかも、墨汁にしか見えない。

ただ、ラストシーンはいい。
ダイモンは強いので、日本中から妖怪が加勢にくる。
ダイモンを追っ払った後、その集まった妖怪たちが、帰って行く。

はるかなる山々に向かって、勝利のよろこびのあまり、踊るようにはねるように帰って行く。そういうシーン。

麻野は、映画のラストシーンで一番好きだったのは「ファイト・クラブ」だったが、これが並んだ。

ただし、ちょっと冷めてみてみると、この映画、たった一人の外人妖怪を、日本中の妖怪で追い払うという、とても排他的な話だ。
セリフにも、「日本の妖怪をなめるな」的な、ナショナリズムあふれる言葉がやたらでてくる。

ここからは麻野の妄想だ。

黒船がやってきたり、GHPがやってきて憲法押しつけたり、日本という国は頼みもしないのに、次々と外国がやってくる。
そしてそのたびに、日本という国は変わらざるを得なかった。

もし外国がこなかったら、あるいは、来たとしても追っ払うことができたなら、今まで通りの日本でいて、安心して、変わることなく日本を続けられた。
消えてしまった日本に対する憧憬。今はもうありえない、でも、追っ払えばあり得たかもしれない理想の日本。本当はこうあってほしかったんだという、ぬぐいきれない思い。そういったものを、この映画に強く感じた。

外人を追っ払って、田舎へもどっていく妖怪たちは、排他的かもしれないが、とても無垢で安心しきっていて、うれしそうだった。麻野はどうしても、その妖怪に感情移入してしまうのだ。
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by asano_kazuya | 2010-05-12 08:35 | 映画